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今回のWEBレッスンは、時々ご質問をいただく、きんとんこしやうらごし(裏漉し)について、少しお話ししてみようと思います。

“きんとん”といっても、あのお正月のきんとんではなく、和菓子でいう「きんとん」とは、練切に代表されるような、あん種をきんとんこしでこし出して、あん玉のまわりに箸でつけ、美しい季節をあらわすお菓子です。
たいてい和菓子屋さん(おもに上生菓子を作っている)に季節ごとに出てくる和菓子のうちの、少なくとも一種類は”きんとん”が入っています。

食べると口どけがよく、簡単そうでいて作るのは難しいとかんじるお菓子なのです。おもにそのきんとんを作る時に使う道具が、きんとんこしやうらごしです。私が持っているきんとんこしは、ステンレス製で直径24.5cm、高さ9cmの3.5mm目のものと、同じ3.5mm目の籐製のもの、そしてもう少し目の細かい(目は不揃いなのです)竹製のもの、3種類です。
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手前からステンレス製、竹製、籐製のきんとんこし
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馬の毛、ステンレスのうらごし
作ろうと思うお菓子の雰囲気に合わせて、使っています。私の本の中で使っているのは、全て、ステンレス製の3.5mm目のものです。

籐や竹製のものは軽くて手にやさしいので、たくさんお菓子を作る時はいいのですが、たまに少量ずつお作りになる時は、メンテナンスも楽であつかいやすいステンレス製がいいでしょう。

きんとんこしがなくても、家庭にある道具で、たとえば、ステンレス製の5〜6mm角くらいの目のザルや、四角い目のプラスチックカゴ等で代用もできます。けれど、これから「きんとん」に代表されるような上生菓子を作っていきたいと思われるのなら、ひとつ、きんとんこしをお求めになることをおすすめします。

和菓子の道具をあつかっている所でしたら、おいてあります。(ちなみにクオカ、富澤商店、合羽橋道具街にあるヨコヤマ、アサミなど。そぼろこし、そぼろ通しともいいます。)
『おもてなし和菓子を手づくりで』の表紙の「きみしぐれ」もステンレス製の3.5mm目のきんとんこしで作りました。
きんとんこしでこした黄身あんをぐいのみのようなものに7分目ほど入れて、その中にあん玉を入れ、さらにこした黄身あんをのせて、手でクッと押してから抜いたものです。本で使っている、ぐいのみのようなものは木製の「坊主型」(直径4.5cm)です。(これも和菓子道具を扱っているところで売っています。)

きんとんでもうーんと目の細かい、ふんわりしたそぼろにしたい時は、裏ごしでこし出したあん種を使います。そんな風にして作ったきんとんが、『電子レンジとフードプロセッサーで和菓子ができる』(講談社)の表紙の上から2つ目の「あじさいのきんとん」です。

裏ごしはステンレス製でも馬の毛のものでも、どちらでも大丈夫。粉ぶるいでもOKです。

ちなみに NHK『きょうの料理』に以前出演した時、柚子きみしぐれで使っていたうらごしのメーカーについて、お問い合せをいただきましたが、だいぶ以前に買ったものなので、調べてみました。明道(株)というメーカーさんのものです。
お正月などには、白いきんとんと薄紅色のきんとんで作ってみたり、色々楽しんでみてくださいネ。